がん検診は、がんの自覚症状のない人に検診をして早期発見・治療をするためのものです。市町村や職域が行う集団検診と希望する個人が受診する個人検診の2種類があります。集団検診では、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんの5種類のがん検診が現在行われています。厚生労働省が決めた部位と方法では、胃がんの検診では40歳以上に年1回の胃X線検査を、肺がんでは40歳以上に年1回の胸部X線検査及び喀痰細胞診を、大腸がんでは40歳以上に年1回の便潜血検査(免疫2日法)を、乳がん検診では40歳以上に2年に1回の視触診及びマンモグラフィ検査を、子宮頸がんでは20歳以上に2年に1回の子宮頸部細胞診を勧めています。
市町村の行う集団検診はこれらの検診項目にのっとって行われています。会社等の検診も基本的には同じですが、それぞれ独自にこれ以外の項目が追加していることもあります。個人検診でよく行われるものには、日帰りがんドックなどがあります。様々な部位のがんに対応した検診メニューがあり、自分の希望に合った部位や検査方法を選んで受けることもできます。
これらの集団・個人検査で異常が疑われた場合には、精密検査が必要になります。精密検査ではより細かく調べることになりますので、心身に負担がかかったり、長い時間が必要になったりもします。しかし、何よりも早期発見・早期治療につなげて、死亡を回避していくことが、がん検診の目的でもありますので、精密検査の必要あり、と診断が出た場合は必ず検査を受ける必要があります。