人間ドックを「何のために受けるのか」を明確にしていないと、検査結果を十分に生かしきれない可能性が高いです。確かに基準値を外れた異常が見つかれば、再検査や経過観察などの処置を取り、病気の予防に生かすことは出来ます。しかし、問題なのは基準値だからと言って受けて終わりにしてしまうケースです。高い費用をかけて人間ドックを受けても、多くの人が100%生かせていない理由は、「何のために受けるのか」を考えていないからです。

あえて自分の病気を掘り出したい人はいないでしょうから、そうなると「基準値だから安心」と思い込んでしまいがちです。しかし、たとえ基準値であっても、過去の結果に比べて値が変動している場合には注意が必要です。例えば、過去の数値に比べて肝機能が低下しているなどが分かっても、医師に「問題あり」と診断されなければ、あえて自分は病気の予備軍なのではと疑う人は少ないでしょう。ただ、これはかなりもったいない人間ドックの受け方です。

せっかく検査を受けて病気の予兆を発見できたのに、それをみすみす見逃してしまうことになりかねないからです。人間ドックの結果を無駄にしないで活用するには、まず要検査の診断を受けたら必ず再度精密検査を受けるようにします。あくまでも健康と不健康のスクリーニング(ふるい分け)の検査として人間ドックを使うということです。そして大切なのは、やや不健康であってもそれを放置せずに、どうやったら改善できるかを考える事です。

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